Super源さんの音楽ブログ

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「卒業/斉藤由貴」- オリコン週間6位を記録した斉藤由貴のデビュー曲にしてヒット曲!

今日は、斉藤由貴の「卒業」のご紹介です。

卒業 斉藤由貴 ジャケットイメージ
写真はこちらからお借りしました。

斉藤由貴(さいとう ゆき、本名:小井由貴(いさらい ゆき)(旧姓:斉藤)、1966年9月10日 -)は、神奈川県横浜市南区出身の女優、歌手です。

斉藤由貴は、1984年に第3回ミスマガジン(講談社)グランプリを受賞し、1985年に「卒業」で歌手デビューをします。
女優としては、「スケバン刑事」(フジテレビ)で連続テレビドラマ初主演し、また相米慎二監督「雪の断章 -情熱-」(東宝)で映画デビューをします。

1986年、4月からNHK連続テレビ小説「はね駒(はねこんま)」のヒロインに抜擢されて、その平均視聴率が40%を超えます。このことにより、「斉藤由貴」の名は全国に知れ渡ります。
また、テレビアニメ「めぞん一刻」(フジテレビ)の主題歌に、「悲しみよこんにちは」が起用され、歌番組にも多く出演。同年12月には、毎年恒例の「第37回NHK紅白歌合戦」(NHK)に同曲で初出場します。

1990年代以降は、女優として、映画・テレビ・舞台に出演し、詩作活動やナレーターなど幅広く活躍しています。
また作詞家として、ミュージカルの作詞や、同世代の女性歌手にも作品提供を行なっています。

今日は、斉藤由貴のデビュー曲である「卒業」をどうぞ。
 
この曲の歌詞はこちら

この曲は、オリコンチャートにおいて、週間6位、1985年3月度月間11位、1985年4月度月間5位、そして1985年度年間34位を記録しています。

「卒業」制作秘話

この曲の発売前、斉藤が前年(1984年)から出演していた明星食品「青春という名のラーメン」CMのイメージソングに決定すると、担当ディレクターである長岡和弘は、作詞・作曲にヒットメーカーの松本隆と筒美京平、編曲にはキーボード奏者で新進気鋭のアレンジャー武部聡(武部聡志)を起用します。

長岡和弘は、小林麻美のアルバム『CRYPTOGRAPH〜愛の暗号』での武部聡のサウンド・プロデュースを気に入り、この曲の編曲に抜擢しました。
長岡は、この曲を制作するにあたって、斉藤由貴がオーディションで歌った「夏の扉」「SWEET MEMORIES」(松田聖子)、「時をかける少女」(原田知世)、「待つわ」(あみん)、「悪女」(中島みゆき)の録音を、松本隆と筒美京平に聴かせます。

斉藤の歌を聴いた2人は、あみんの「待つわ」が心に響いたと意見が一致し、「待つわ」のように歌詞をきちんと伝えるような歌を作ろうということになります。

そして、詞の世界を活かすために、この作品は松本隆が先に歌詞を書き、そこに筒美京平がメロディーを付けるという詞先の形で制作されることになります。
その時点で、すでに「卒業」というタイトルは決まっており、松本隆は歌の主人公が通う学校の風景や情景など、スタッフと議論を重ねながら、叙情的な詞の世界を完成させます。

また、完成時はサビの部分が「卒業式で泣かないと…」となっていましたが、レコーディングの際に筒美が「卒業式で泣かないと…」の前に「ああ」を入れようと提案。そのまま追加しレコーディングされました。

この曲で印象的なイントロのアルペジオですが、これは武部聡の発案ではなく、既に筒美京平が作成したデモの段階で入っていました。

武部聡のの編曲は、松本隆の詞にインスパイアされたものとなっており、例えば、イントロのアルペジオは、鳥の電子音が入っているので朝の始業のチャイムのイメージを、また、デジタル楽器だけでなく、鍵盤ハーモニカ、サクソフォーン、フルートなどのアナログ楽器も使用することで、学校や学校のブラスバンド部のイメージを生み出しています。

「卒業」は、今や卒業ソングの定番に

なおこの曲は、発売から30年近く経過した今もなお人気があり、卒業ソングの定番となっていることは周知の通りです。
また、この曲は後に松下萌子(まつした もえこ)らがカバーしています。

2016年2月23日放送の『マツコの知らない世界』で“卒業ソング”を特集した際、マツコ・デラックスが好きな楽曲として本作を挙げています。
マツコ・デラックスはその理由を、卒業の歌にしては醒(さ)めた内容の歌詞であること、「涙はもっと哀しい時にとっておく」という部分が、当時の自分の気持ちに近かった、などを挙げています。