「夢で逢えたら/シリア・ポール」- 1977年のソロアルバム再デビュー曲&面白い制作裏話を紹介!
- 名曲紹介
- 2015年04月12日
- Comment:0
- Edit
「夢で逢えたら」は、1969年にニッポン放送「ザ・パンチ・パンチ・パンチ」初代DJ「モコ・ビーバー・オリーブ」の「オリーブ」(愛称)として人気があったシリア・ポールの、1977年のソロアルバム再デビュー曲です。
「夢で逢えたら」の作詞・作曲は大瀧詠一、編曲は多羅尾伴内・山下達郎です。
この記事では、シリア・ポールの人物紹介、「夢で逢えたら」の楽曲紹介、なんと、この曲の”ふわっとした夢心地”の雰囲気そのものが、レコーディング時に偶然生まれたことなど、面白い制作裏話を4つ厳選してご紹介します!
写真は、こちらからお借りしました。
シリア・ポールってどんな人?
シリア・ポール(Celia Paul、1947年10月23日 - )は、大阪府出身の女優・歌手です。国籍はインド。ポール聖名子、エルザ・ポールは姉妹。
シリア・ポールは、子供の頃から、テレビ・映画に子役として出演。映画の初出演作は『亡命記』(1955年)。その後も松竹専属として9本の映画に出演します。
大阪女学院中学校入学と共に一時芸能界を離れまずが、卒業後、芸能活動を再開。テレビドラマの単発出演を数本務めた他『コロムビアグランドショー』の司会・レギュラー出演を務めます。
1969年に、ニッポン放送「ザ・パンチ・パンチ・パンチ」初代DJ「モコ・ビーバー・オリーブ」の「オリーブ」(愛称)として人気があり、1977年、ソロアルバム「夢で逢えたら」で再デビューします。
1970年代後半から1980年代にかけては、FM東京のDIATONE 「ポップスベストテン」や「サントリー・サウンドマーケット」といった音楽番組のパーソナリティも担当しています。
「夢で逢えたら」名曲紹介
さて今日は、そんなシリア・ポールの1977年6月1日に発売された「夢で逢えたら」をどうぞ。夢で逢えたら/シリアポール
この曲の歌詞はこちら。
「夢で逢えたら」の作詞・作曲は大瀧詠一、編曲は多羅尾伴内・山下達郎です。
この曲はその後、サーカス、桜田淳子、多岐川裕美、岩崎宏美、桑名晴子、石川ひとみ、北原佐和子、香西かおり、柴田くに子(現・森丘祥子)など、多くの歌手にカバーされています。
「夢で逢えたら」の面白い制作裏話
「夢で逢えたら」は、あの“ふわっとした夢心地”の雰囲気そのものが、レコーディング現場の偶然から生まれたところが面白いです。1. あの有名な「タッタラ・タタッタ」のフルート、実はその場の思いつき
いちばん面白いのがこれです。「夢で逢えたら」の歌い出しのあとに入る、浜口茂外也さの
♪タッタラ・タタッタ……
というフルート・フレーズ。
これは、大瀧詠一が最初から書いていたものではありません。浜口が録音中にふとひらめいて、その場で「こんなのどう?」と吹いてみたものだったそうです。そして、大瀧が「それいいね!」と採用した。つまり、あの曲を印象付けるメロディの一つが、スタジオで偶然生まれたものだったのです。
しかも浜口は、吉田美奈子の1976年版とシリア・ポールの1977年版の両方に参加しています、数少ない共通メンバー。シリア・ポール版ではドラムス上原裕、ベース田中章弘、ギター村松邦男、キーボード井上鑑、ストリングス・アレンジ山下達郎という錚々たるメンバーです。
2. 実は「夢で逢えたら」は最初からシリア・ポールに書かれた曲ではない
実はこの曲は、もともとアン・ルイスに書かれたものでしたが、当時の彼女のスタイルには合わないとしてボツになった、という話があります。その後、まず吉田美奈子が1976年に録音。そして翌1977年、大瀧詠一プロデュースのシリア・ポール版へ。
なので、現在の「夢で逢えたら」のイメージからすると意外な感じがしますが、最初から「シリア・ポール=この曲」という運命的な組み合わせだったわけではないのです。
3. 大瀧詠一、ミックス違いを作りすぎ問題(笑)
さらにマニアックなのが、音の違いです。録音自体は福生の「FUSSA45スタジオ」で行われました。ところがミックスダウンは複数の場所・時期にまたがり、後世にいくつものバージョンが残ることになります。
大瀧自身が2011年のインタビューで、最初に音響ハウスでミックスした「ONKIOミックス」について語っていて、
「雨の音がでかい(笑)。まるで台風」とまで言っています。左右を入れ替えたり、全体の印象もかなり違うらしい。
つまり「夢で逢えたら」のあの音は、単純に「1977年に録音して完成!」ではなく、大瀧が後々までミックスをいじり続けた作品なのです。
実際、1997年盤には「Single Version」「Mono Version」「Mono Tracks Only」「'87 Mix」など複数の別バージョンが収録されています。
4. そして、実は「雨」の音まで作品の一部
ここが大瀧詠一らしくて面白いところです。「夢で逢えたら」は歌詞自体が、
眠り続けたいという夢の世界の話ですよね。
まぶたを閉じる
そこにエコーの深いボーカル、ストリングス、フルート、そしてミックスによってはかなり強調された“雨”のような音響が加わる。
大瀧は後年、その違いを自分で把握していて、別ミックスを残すかどうかまで悩んでいました。結果的に後の「夢で逢えたら」は、単なる一枚のレコードではなく、「大瀧詠一が何度も音像を組み替えた実験室」みたいな作品になっています。
2018年の40周年BOX『夢で逢えたらVOX』では、異なる3つのマスターテープを軸に、シングル、ライブ、アウトテイク、カラオケ、CM音源などまで大量に発掘・収録されました。
個人的に一番グッとくるのは、「夢で逢えたら」の象徴的なフルートが、作曲家・大瀧詠一の頭の中からではなく、浜口茂外也の“その場のひらめき”から生まれたという話です。
しかも、1976年の吉田美奈子版→1977年のシリア・ポール版と、同じ浜口がそのフレーズを演奏している。名曲の「顔」になる一節が、スタジオで偶然生まれ、それがそのまま後世に残ったわけです。